とーやぎけんの作るぞメモ

DIYの記録に使っていきます

長距離の移動時間は小説時間

 

  ※ 長文警報 ※

 

 

短い帰省も終わり、

単身赴任先に戻ってきました。

また明日から、単身自炊生活再開です。

 

 

ところで、長距離移動では何かしら小説を持ち歩きます。

手持ちを読み切って、読むものが無くなってしまうのは心許ないので、

移動時間から考えて、読み終えない冊数を持ち歩くことになります。

別に読むのが早いわけではないので、だいたい2冊くらいです。

 

本についてあまり書いたことがなかった気がするので、

私がよく読む作家さんを挙げてみます。

 

伊坂幸太郎さん

最近は「クジラアタマの王様」を読みました。

二つの場面が交互に展開されて、続きが気になって止まらないタイプのやつです。

伊坂幸太郎さんの最初は「重力ピエロ」から入った気がします。

大好きで、文庫化されればほとんど買って読んでいます。

 

米澤穂信さん

以前住んでいたところの図書館で「インシテミル」をタイトル借りして、

めちゃくちゃハマりました。

そこから続けて、シリーズものだと知らずに「クドリャフカの順番」を借りて、

遡って文庫を買い漁るようになりました。

「心当たりのある者は」では、たった一言からの展開で圧倒されました。

 

初野晴さん

「退出ゲーム」をジャケット買いしてハマったと思います。

コミカルな書き方なのに、扱われる題材の重さが好きです。

 

石持浅海さん

「扉は閉ざされたまま」のジャケット買いから始まったような気がします。

最近は、「殺し屋、やってます。」「殺し屋、続けてます。」を読みました。

殺し屋が探偵役の、少し変わった小説です。

「Rのつく月には気をつけよう」を読むと、いいツマミでお酒を飲みたくなります。

 

 

・・・という感じで自分の趣味を少し晒したところで、

帰省から戻ってきたという話に戻します。

 

 

今回の帰省の復路では、似鳥鶏さんの「育休刑事」を読みました。

育休をとった刑事が主役、というすごい設定のミステリー。

タイトル買いでした。

 

コミカルな書き方でシリアスな展開もあるところに、

育児を経験していると共感できることがたくさん差し込まれていて、

毎週のように西松屋に通っていた頃を思い出しながら読んでいました。

 

飛行機を乗り継ぎ、目的の空港について空港バスに乗り換えて、

レオパレスに移動します。

移動中に読み進める「育休刑事」も佳境に入っています。

 

バスに乗る時点で、残り30~40ページ。

バスで向かう目的地までに読み切れるかどうか。

 

目的地が近づいて、でもぎりぎり読み切れない感じが分かってきて、

(どうか読み終わるまで辿り着かないでくれ)

(何度でも信号機に引っかかってくれ)

と、他の乗客にははなはだ迷惑な事を祈りながら読み進めて、

目的地に着いた時に、残り約10ページ。

 

残り10ページをそのままに歩き始められるわけもなく、

そのままバス停で読み切ってから移動する事にしました。

 

そして最後の数ページで、

感極まって目頭が熱くなりました。

 

いやはやタイミングが悪かった。

 

たとえば、この本を読むのが往路なら良かった。

これから家族と再会する、というタイミングなら。

 

でもそうじゃなくて、今朝まで家族と一緒にいて、

別れてから、この本で子供が小さかった頃を思い出しながら読み進めて、

最後の数ページで綺麗に終わって。

 

主要駅のバスロータリーで、辛うじて屋根がある場所で、

小説を閉じて感傷に耽って動けなくなりました。

 

 

今日が土砂降りの雨で良かった。

おっちゃんがスーツケース傍らに道端で小説を読んでて、

実は少しだけ目に涙を浮かべていたとしても、

誰もそんなことに目を向けたりしないから。

 

 

前にもこんなことあったよなー、と思い返してみれば、

たぶん次女が生まれた時だったんじゃないかと。

 

妻が出産後の入院期間中、病院の個室で何かの待ち時間がありました。

中山七里さんの「いつまでもショパン」を読んでいて、

こみあげてくる状況があったことを記憶しています。

 

新しい命を授かった直後に、命のことについての展開があって、

堪え切れなかったんだと思います。

 

 

もちろん、その時の自分の環境に関係なく、

読み終わっただけで鳥肌が立つような作品もたくさんありますが、

たまたま自分の環境に合致して、

生涯で記憶に結び付くような経験もできる可能性があります。

 

今回もそういうやつで、タイミングが悪かった。

 

 

言い直せば、タイミングが良かった。

他の人が読んだ時にどんな感想になるかはわからないけど、

私の場合は、記憶に刻まれるタイミングで出会った小説でした。

 

こういう感覚が経験できるから、小説はいいですよね。

 

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